- 2013年10月2日 -
11/10(日)平成25年度千葉県口腔保健大会
たくさんの方々にご来場いただきまして、誠にありがとうございました。県民公開講座「唾液の力がからだを守る」
日時 平成25年11月10日(日) 15:30~17:00 会場 千葉市生涯学習センター 2F ホール
私達の体を単純化して見ると筒の様な形状をしています。口からはじまり肛門に至るまでが、粘膜で被われた内側を形成し、外側は皮膚で被われています。その内側を形成している口からはじまる消化管は、体の中にありますが、常に直接外界に接していることになります。体の内側を形成している消化管の入り口である我々の口には、唾液を中心に、直接外界と接している私達の内側を守り、日々の生活を円滑に過ごせるシステムが存在しています。つまり、唾液は「免疫力」と「潤滑力」を担っています。例えば、唾液は食べ物の消化や飲み込み、円滑な声の発声、食べかす洗浄効果など、我々の日々の生活をスムースにする「潤滑力」として欠かせない存在です。また、唾液には我々を守る「生体防御」つまり「免疫力」としても非常に重要です。唾液には、病原体を殺傷するような抗菌物質が含まれています。また、分泌型IgAと血清由来IgGと二種類の抗体という特異的に特定の病原体の侵入を阻止、破壊するタンパク質が含まれています。この唾液は、我々の口の中で、毎日1-1.5リットル作られ、飲み込んでいることを考えると、唾液は口の中の免疫力として働くだけではなく、口から始まる消化管全体にも貢献していることが、容易に想像されます。つまり、唾液にはじまり口の免疫力は私たちの体を守る「免疫力」の源と言って過言ではありません。その源となる免疫を動かしているのが「粘膜免疫」と言われるシステムであることが学問の進歩で分かってきました。その点も含めて、皆さんと一緒に「唾液」の「免疫力」を考えてみたいと思います。