ビーバー号は走っています!

障がいを持った方に会われた事がありますか?
障がいがあると、待つということ自体難しかったり、自分の意志と関係なく体が動いてしまったり、障がいの程度によっては一般の歯科医院では対応ができなかったりで、定期的に歯科受診できている方はまだまだ少ない状況です。また痛みの訴えが伝わりにくい場合もあり、周囲の人が気付かないうちに重症化してしまう事があります。そして悪化すればする程症状は複雑化し、治療はよりいっそう困難になってしまいます。
そこでビーバー号です。

ビーバー号ビーバー号

ビーバー号とは?

千葉県歯科医師会では千葉県の福祉政策事業の一環として、昭和53年から県内各地の障がい児(者)施設を大型バス(ビーバーのイラストが書いてあるのでビーバー号)で巡回し、障がいを持った方への健診と障がいにあわせたセルフケアの指導、保護者や職員の方へのホームケケアの指導とお口の健康教室を行なっています。心身障害児(者)歯科保健巡回診療指導事業というとても長い名前の事業ですので、略してビーバー号事業という事が多いです。ここ数年では年間60~70施設を訪問し、2100~2200人の健診をしています。
毎年県内くまなく走っていますが見かけたことはありますか?

ビーバー号防災の時にも役立つように
できています

ビーバー号はこんな役割を果たしています

障がいをお持ちのご本人を健診し、むし歯や歯周病その他の問題は無いか、チェックします。また歯磨き指導はひとりひとりに合わせて、無理なくできる事を少しでも増やせるようワンポイントアドバイスを心がけています。幼児施設では、希望者に対して、フッ化物塗布や母子手帳への記入も行なっています。ご本人だけではお口の管理が完全には難しい場合、保護者や職員の方のお口への関心の度合いがご本人のお口の健康に直結してきます。理想論ではなく、施設の現状に合わせてできることを一緒に考えていきたいと思って出動しています。
健診風景健診風景
ビーバー号は、大規模災害時の移動診療車としての役割も担っています。
2011年3月11日の東日本大震災後には、岩手県歯科医師会の要請により出動して、陸前高田市での歯科医療支援に従事しました。平時には贅沢と思われるビーバー号の発電・給水設備ですが、電気、ガス、水道等のインフラを失った被災地では、独立して機能する移動診療所としての役割を十分に果たしました。例えば、清潔な水を使って器具を洗浄したり、治療器具を電力で高圧滅菌するなどの機能は、掛け替えのないものでした。こうした診療車を配備している県は全国でも本当に少数です。

歯科医師会のキャンペーン『80歳で20本の歯を残そう』にちなんだナンバー皆さんは20本の歯がありますか?

健康な体はまずお口から

お口の健康が、体全体の健康に大きく関わっている事が、健康番組などでもこのごろ良く取り上げられます。口腔の清潔を保つことは全身の健康の維持につながります。障がいのある人が健康を害すると、日常の生活活動にさらに制約が生じ、二重の障がいを負うことになりかねません。それに何よりも毎日の食事がおいしくいただけるという事は、とても幸せな事ですね。これは障がいの有無にかかわらず、ですが。

最後に、私達が訪問した施設の障がい者と全国成人の、今お口の中にある歯の数の平均を年齢別にグラフにしてみました。さて、あなたはいかがでしょうか。

歯の数グラフ

指導医診療所リスト

ビーバー号歯科衛生士募集

ビーバー号(巡回歯科診療車)による歯科健診や歯科保健指導に同行し、歯科健診の補助、歯科保健指導等の業務を行う歯科衛生士(登録制)を募集します。

資格 歯科衛生士の資格を持つ方(臨床経験不問)
定員 5人程度

詳細につきましては、一般社団法人 千葉県歯科医師会までお問合せください。
千葉県HP https://www.pref.chiba.lg.jp/shoji/service/iryou/beaver.html