
野村 武史先生ご略歴・抄録
野村 武史(のむら たけし)
【略歴】
1995年3月 東京歯科大学卒業
2006年4月 東京歯科大学口腔外科学講座 講師
2009年7月 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学歯学部 客室研究員
2011年7月 文部科学省がんプロフェッショナル養成基盤推進プランコーディネーター
2013年7月 東京歯科大学口腔外科学講座 准教授
2014年6月 東京歯科大学口腔がんセンター 准教授
2015年4月 東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座教授
2020年4月 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座教授
口腔がんセンター センター長
抄録
口腔がんの死亡率を下げるためには、早期病変をできるだけ効率よく発見し、適切なタイミングで治療することが大切です。早期がんに対して適時・適切治療を行うことができれば、死亡率の改善だけでなく、術後のQOLの向上、経済的負担の軽減が期待できます。早期口腔がんの発見率を高めるためには歯科医師の存在が欠かせません。一般歯科診療所に勤務する歯科医師が、統一されたプロトコールに基づいて検診を行うことが重要です。超高齢社会において口腔粘膜疾患の病態は複雑で、診断に迷うケースは少なくありません。これらに対応するためには口腔がんに関連した様々な粘膜の病態についての知識の修得に加え、地域での円滑な病診連携の確立が必要です。まずは検診により疑わしい病変をみつけ、その後必要に応じて連携する基幹病院に紹介し確定診断をつけることが大切です。近年では、検診精度を上げるため、従来の視診、触診に加え、液状化細胞診や蛍光観察装置が登場しています。直視が可能な口腔粘膜をどのようにスクリーニングすればよいか解説させていただきます。