千葉県発 8029(ハチマル肉)の提唱 

皆さんは「8029(ハチマルニク)運動」をご存知ですか?「8020(ハチマルニイマル)」ではないのです。千葉県歯科医師会が提案する「いつまでも元気でいられる!」そんな魔法の呪文なのです!

千葉県歯科医師会
会長 大河原 伸浩

 2020年の日本人の平均寿命は男性が81,64歳女性が87,74歳で、いずれも過去最高を更新し女性が世界1位、男性は2位である。

 私たちの寿命は延び続け、今では“人生90年”に手が届こうとし、人生100年をめざそうと目標を掲げています。しかし一方で、自立した生活を送れる期間いわゆる「健康寿命」は男性の健康寿命は72.14歳、女性は74.79歳で、平均寿命より男性は約9年、女性は約12年も短いのです。これは健康上の問題などで、支援や介護を必要とするなど、日常生活に制限のある期間が平均で9~12年もあるということです。長い人生、いつまでも元気に過ごすためには「健康寿命」を延ばすことが必要なのです。

 厚生労働省は2000年、「健康日本21」で健康寿命の延伸を目標に掲げ、その後2019年には、2040年までに男女とも健康寿命を3年以上延伸し、75歳以上となる目標を定めました。

さらに、健康寿命延伸のための施策として、具体的には、
  • 次世代を含めた全ての人の健やかな生活習慣形成
  • 疾病予防、重症化予防
  • 介護予防、フレイル対策、認知症予防
の三分野を中心に取り組みを進めています。

 日本歯科医師会が「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」というスローガンのもとに展開してきた「8020運動」。その幕開けの1989年から30年が経ち、当初10%にも満たなかった達成率も、2016年段階で50%を越えた。そして高齢化が進む現代においては、口腔機能の維持が求められるようになり、「8020運動」に加えて「オーラルフレイル対策」の推進が必要です。


 お口の機能「噛む、飲み込む、しゃべる」の衰えを「オーラルフレイル」と呼びます。具体的には、「噛めないものが増えた」、「むせる・食べこぼす」、「食欲の低下」、「滑舌が悪い」などがあげられます。

 私達、歯科医師は口の機能を回復・維持・向上、そして食支援を行うことでフレイルの予防に貢献しています。

 私達は「人生の最後まで自分の歯でおいしい食事をすることを喜びとしています」また、それこそがフレイル予防の目的であると認識し、我々歯科医師はその支援をすることを最大の目標に掲げ、実行していくことが責務であると考えております。

 フレイル対策として千葉県歯科医師会は、これからの課題として、歯を残すことは勿論、残っている歯を有効に使い、体の健康の維持に必要な食支援を行い、健康寿命を延伸していくことを「8029(ハチマル肉)」というキャッチコピーで提唱し、推進することとしました。つまり、「8029(ハチマル肉)」とは「80歳になっても肉を始めとした良質なタンパク質を食べることで介護いらずの元気なご高齢の方を増やしていこう」という取り組みです。

8029ってなんだ?

皆さんは「健康寿命」をご存知でしょうか?「健康寿命」とは、介助がいらず、日常生活に支障がない期間のことです。近年も日本人の平均寿命は延びていますが、天寿を全うするまで何かしらの病気や障害を抱えている方が多いのが現状です。平成28年のデータによると健康寿命と平均寿命の差は、男性約9年、女性約12年となっています。

つまり、多くの方は人生最後の10年前後は何らかの障害を抱えたまま不自由な生活を送ることになります。

平成28年度の歯科疾患実態調査では80歳以上の方の約半数が20本以上の歯を持つことができるようになりました。千葉県歯科医師会では、これからの課題として、歯を残すことは勿論、残っている歯を有効に使い、体の健康の維持に必要な食支援を行い、健康寿命を延伸していくことを「8029(ハチマル肉)」という形で提唱し、推進することとしました。つまり、「8029(ハチマル肉)」とは「80歳になっても肉を始めとした良質なタンパク質を食べることで介護いらずの元気なご高齢の方を増やしていこう」という取り組みです。


「フレイルをご存知ですか?」

「フレイル(虚弱)」とは運動機能や認知機能の低下、慢性疾患などの影響でご高齢の方の心身が虚弱となった状態で要介護の前段階のことを意味し、このフレイルには社会的・精神的・身体的な要因が関係しています。このような状態にならないよう若い時からの心がけが大切です。私達、歯科医師はこの3つの要因のうち、「身体的」な部分に関わっています。すなわち、口の機能を回復・維持・向上、そして食支援を行うことでフレイルの予防に貢献しています。

噛むこと”について、噛むこと研究室!

「オーラルフレイルとは」

先に述べました「フレイル」の前段階を「プレフレイル」と言います。このプレフレイルは、「噛む、飲み込む、しゃべる」といったお口の機能の衰えとしてみられると言われています。お口の機能の衰えを「オーラルフレイル」と呼びます。具体的には、「噛めないものが増えた」、「むせる・食べこぼす」、「食欲の低下」、「滑舌が悪い」などがあげられます。

プレフレイルの時点で気付くことができれば、フレイルへ移行しないようにできると言われています。フレイルにつながるプレフレイルの予防のために「かかりつけ歯科医院」でオーラルフレイルのチェックを受けることをお勧めします。



「栄養について」

筋肉が衰えると先に述べました「フレイル」という状態に陥りやすくなります。一定の筋肉量を維持するためには良質なタンパク質をとることが必要となります。一日のタンパク質摂取量の目安は、体重(kg)×1.0~1.2g (体重50kgの場合、50~60g)となります。

   豚ロース肉(焼き)50g(約13g)、鮭(焼き)70g(約20g)、    
牛乳180g(約6g)、卵50g(約6g)、納豆50g(約8g)      
※( )内はタンパク質量の目安 

       
これで合計約53gのタンパク質が取れます。

タンパク質は動物性・植物性の食品でバランスよくとることが大切です。そのため、肉をしっかり食べることができるお口の状態であることが必要となります。むし歯・歯周病、歯が抜けたまま、入れ歯が合っていないなどでしっかり噛むことができない場合は、早めに歯科医院で治療を受けましょう。 

千葉県栄養士会の情報満載!レシピ多数あり。

後に

食べることの一番の目的は、生きていくために必要な栄養をとることですが、体の病気や機能低下を予防するためにも大切なことです。そして味を楽しむということも同様です。千葉県歯科医師会は、皆様の生涯を通して健康で充実した生活が続けられるよう様々な面からのサポートを今後も継続して行ってまいります。

かかりつけ歯科医院での定期検診をお忘れなく!

8029ロゴマーク 使用許可申請

8029のロゴマーク(チーバ君と一緒のタイプは不可)は使用許可申請をしていただければどなたでもご利用いただく事が出来ます。以下の規約をご確認いただき「8029」デザイン等無償使用申込書を提出してください。