ビーバー号事業に関する歯科衛生士との裁判について(本会からの謝罪を含む声明)
1 はじめに
このたび、本会が千葉県から受託していた心身障害児(者)歯科保健巡回診療指導事業(通称「ビーバー号事業」)に関し、歯科衛生士らと本会との間の訴訟(本件訴訟)において、本会が当該歯科衛生士らに対して謝罪をすることを含む和解が成立いたしました。
本会から会員のみなさまに対し、和解に基づき以下のとおり表明いたします。
2 ビーバー号事業及びビーバーDHについて
本会は、昭和54年4月以降、千葉県からビーバー号事業を受託し、令和8年3月までの47年間にわたり、千葉県各地域の歯科医療、特に予防歯科医療に貢献してきました。
ビーバー号事業は、本会の会員有志と、ビーバー号事業に参加して歯科医療に貢献したい という志を有する指導歯科衛生士(通称「ビーバーDH」) によって遂行されてきました。
本会は、ビーバー号事業の遂行に当たり、会員有志において心身障がい児の方々向けの歯科診療の研鑽・習熟を重ね、適切かつ安全な健診を行うべく努力してまいりました。
ビーバーDHもまた、本事業の運営のために心身障がい児の方々の入所施設等の出動先で 歯科健診補助や歯科保健指導を実施するほか、出動の際に使用する資料の作成、研修の実施、歯科医学大会での発表等を行いながら研鑽・習熟を重ね、心身障がい児の方々向けの歯科診療に熟練した歯科衛生士として、ビーバー号事業の一翼を担ってきました。
3 訴訟に至るまでの経緯
本会は、令和3年3月25日、千葉労働基準監督署から、本会とビーバーDHとの契約が 雇用契約に該当することを前提として、ビーバー号事業に関する就業規則の整備等の是正勧告を受けました。そこで、本会は、勧告に従い就業規則の整備等を行いました。
他方、本会は、令和4年1月以降、ビーバーDHが労働者に当たらないことを前提とする新たな契約書案を作成し、これをビーバーDHらに提示しました。
これに対し、本会との契約を有期労働契約と認識していたビーバーDHら17名は、本会 に対し、労働者としての扱いを求めるとともに、無期雇用転換の申込み(労働契約法 18条1項)を行いました。
本会は、令和4年4月1日以降、新たな契約書に基づき契約を締結した歯科衛生士に対してのみビーバー号事業の出動業務を配当することとし、この結果、新たな契約書に基づく契約締結に応じなかったビーバーDHらに対しては、以後の出動業務を配当しませんでした。
このような経緯から、ビーバーDHである本件原告ら5名は、本会を被告として、無期労働契約上の地位の確認請求等を内容とする本件訴訟を千葉地方裁判所に提起し、本会に対してビーバー号事業への復帰等を求めるに至りました。
4 訴訟の経過
本件訴訟の一審判決(千葉地方裁判所令和5年(ワ)第2509号。令和7年10月16日言渡し)においては、本会とビーバーDHとの契約が雇用契約に該当することを前提として、本件原告ら5名が本会に対して無期労働契約上の権利を有する地位にある旨の判断が示されました。
本会は、これを不服として控訴をしましたが、今般、控訴審である東京高等裁判所において、本会と本件原告らとの間の契約が労働契約であったことを確認した上で、同契約は双方の合意により終了したことを確認することなどを内容とする和解が成立しました。
5 以上の経緯を踏まえた表明
本会は、本件紛争によって本件原告らに精神的苦痛が生じたことについて真摯に謝罪します。
なお、本件に関し、「ビーバーDHがビーバー号の出動をボイコットしている」「本件原告らは金銭目当てに裁判を提起している」といった噂が一部に流布されているという情報に接しました。しかしながら、以上に述べた経緯のとおり、ビーバーDHらがビーバー号の出動への参加をボイコットした事実はありません。また、本会としては、本件原告らは、上記のとおりビーバー号事業への復帰を求めるため本件訴訟を提起したものと理解しています。
以 上